デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ブレア・ウィッチ×28日後。 [●REC]レック

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「食人族」で世に出、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」で完成形となったPOV

だれかが常にカメラを回しているという必然性が与件となりますが、常にカメラを回そうとしている奴って大抵嫌な奴なので、キャラ設定が難しいですね。

「ブレア~」でも“全部、記録するのよ!”と言ってる女がウザったいですし、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」でも“全てを記録するんだ!”とか言ってる男にイラっとしました。

で、この“全部撮るのよ!”をスペイン人(の女)がスペイン語でまくし立てるとイラっと感が倍増することを証明したのが、

[REC](2007年/ジャウマ・バラゲロ監督)

テレビ局のレポーター姉ちゃんが消防署に密着取材中に“上の階で女の叫び声が!”という通報が。喜び勇んでいざ出動。

現場のアパートで警察官と合流して問題の部屋に入ると、半裸血まみれデブおばさんが「がお!」と唸って警官にガブリ。

わお、なんてこった、すぐ病院へ・・と思ったら、いつの間にかアパートは完全封鎖されて逃げ場無し。

「細菌感染の恐れがあります。誰も外にでられません」と非情なアナウンス。

細菌? 感染? ちょっと冗談じゃないわよ、こっちにはけが人が・・と叫ぶ間もなく階段踊り場から消防士が真っ逆さまにどーん!

ここからはジェット・コースター。「28日後」のレイジ・ウィルスの親戚が蔓延するアパートに閉じ込められ、ひとり、またひとりと狂人感染していく住人と警官と消防士とテレビ・レポーター。

ああ、もう何か何だか分からないけど、全部撮るのよ!

特に何が新しいって無いのですが、POV特有の「覗き見」感覚(カメラが捉えたもの以外は分からないという極めて限られた情報開示)は十分に楽しめます。

前半のダラダラ具合に「おいおい、このテンポなら75分でも長いぞ」と思いましたが、後半フルスロットルになるので、イラチな方はちょっと辛抱してください。

主役のお姉ちゃんはマヌエラ・ベラスコ。ベラスコって名前がいいですね。正にヘルハウス。

(予測不能な展開と謎解きをみせる[●REC]2に続く)

※参考:「ヘルハウス」→2008年1月28日
    「28週後」→2008年6月9日
    「自由の女神が仏頭になった日。クローバーフィールド
     →2009年1月23日
    「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」→2009年6月12日
    「救う価値などない・・のか? ダイアリー・オブ・ザ・デッド
     →2009年11月10日