正直、映画としては駄目駄目です。
過剰な説明、チャチ過ぎるCG、「あたしアクションなんか嫌」な小雪の「あ、もう時間だから」な掃け(良く言えば「オーメン3」リスペクトと言えなくもない)。
チャック・ベリーとディープ・パープルというツボを突いていそうで微妙にハズしている音楽もちょっと・・・。
が、しかし! 猟奇的なチョン・ジヒョンのセーラー服と三つ編みと日本刀と生足回し蹴りで全部チャラ!
原題は原作アニメ同様「BLOOD:THE LAST VAMPIRE」なのに、何でこんな訳の分からない邦題になるんだべ。
敵の呼び名も、英文テロップだとDEMON、日本語の台詞だとオニ、英語の台詞だとBLOODSUCKER。でもタイトルはVAMPIRE。
前半は意外にも原典アニメに忠実。単なるスクリーミングおばさんだった女教師の役割を同級生の女の子に変更したのは大正解ですが父親(将軍)は邪魔。
九尾の狐+雪女な風情の小雪は絵的には文句無しですが、経済性を極めた仕事振りはほとんどギャラ泥棒。
鋼鉄の62歳、倉田保昭大先生は大熱演でしたが、サヤ(小夜)の事をサヨと呼んでいたのが気になります(笑)。
ジヒョンはイモトアヤコに見えてしまう瞬間があるものの、“可憐さ”と“多彩な脚技”がアニメ版小夜にはない「萌え」を醸し出しています。
にしても、押井塾(とProduction I.G)が世に問うたフルデジタルアニメの実写化なのに日本金出さず(香港とフランスの合作)、日本が舞台なのに日本人主役張れず・・。
ちょっと寂しいですね。
※原典アニメのレビューはこちら↓