「やはりホラーは十分立派だ。なぜなら、この人たちが立派だからだ」(黒沢清)
私もそう思います。
「アメリカン・ナイトメア」(2000年/アダム・サイモン監督)
“この人たち”とは、ジョージ・A・ロメロ、ジョン・カーペンター、トビー・フーパー、デビッド・クローネンバーグ、トム・サヴィーニ、ウェス・クレイヴン・・etc.
いやもう、並べるだけでドキドキしちゃいます(すみません、大袈裟でした)。
70年代ホラーの起源と社会性を探るドキュメンタリーです。
公民権運動弾圧やらベトナム戦争やら消費社会やらとの関連は常々言われてきた事で特に目新しさはないのですが、監督本人の口から語られている(証言している)、という所が貴重。
従軍カメラマンとしてベトナム入りしたトム・サヴィーニの
「目の前に腕が転がっている。俺はカメラ越しに見ているからその距離の分、現実性が薄くなる。断面や組織をじっくり観察したよ」
という発言は、メイク・アップ・アーチストとしての起点を覗わせます。
初老の大学教授(女性)が「悪魔のいけにえ」を“典型的な御伽噺。現代版「赤頭巾ちゃん」”と評したのは唸りました。
あと、作品が紹介されている訳でもないのに異様なハイテンションで喋り倒すジョン・ランディス(写真左下)は絶対何か一発キメているか重度の躁病だと思います。