デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

何じゃこの物凄ぇミニチュア・セットは?! 北京原人の逆襲

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一般的にこの映画、ラウレンティス/ギラーミン版「キングコング」(1976年)のパクリ便乗バッタモンと思われているようですが、とんでもない誤解です。

北京原人の逆襲」(1977年/ホー・メンファ監督)


公開が本家の2ヶ月遅れになったのは版権クリアに手間取ったために、日本からの協力部隊(黒田義之率いる大映の「大魔神」スタッフ)のビザが切れ、特撮班総入れ替えという「事件」があったから(最終的には、東宝の円谷組が特撮を担当)。

結局、版権交渉と特撮スタッフ総入れ替えが公開の遅れにつながり、興行的な成功は収められませんでしたが、内容はぶっちぎりでハリウッド版に圧勝しています。

ギラーミン版コングでごっそり欠落していた「エロ」と「破壊」がてんこ盛り。

サバンナで像の大群、ジャングルでは人喰い虎に底なし沼、ナバロンの要塞が裸足で逃げ出す断崖絶壁(本当に登っているように見えますが何人か死んでるんじぇねえか)・・。

そして!金髪半裸の女ターザン!(化粧も無駄毛のお手入れも完璧だぜ!)

ここいら辺は流石香港! 客のツボをよっく分かってまいます。

で、北京原人! なんと言っても特技監督が「五郎とゴロー」も手がけている有川貞昌。類人猿はお手の物です。

原人をどうやって山から下ろしたのか、どうやって船に乗せたのか、なんて所を「いいじゃねえか、そんな事どうだって。女ターザンが説得したんだろ」ってな感じすっ飛ばしているのが実に潔い(笑)。

もちろん、クライマックスは、原人が香港で大暴れ!なのですが、香港市街地のミニチュア・セットが凄ぉい! 

原人はでかいと言ってもゴジラのような怪獣ではないので、相対的にビルの方が大きくなります。つまり、ミニチュアの縮尺率が小さいのですよ。

サイズがでかいという事は、作り込みが半端じゃないという事。身の丈を優に超えるサイズのビル群はなかなかに壮観です。

主演はどの映画に出ても必ず美女をはべらせている色男ダニー・リー。

今回は元カノと女ターザンに挟まれて悶々嬉々なアホタレ冒険家を熱演しています。

※ご参考