メカ・キング・コングで話題をさらった“イタリアの山師”ディノ・デ・ラウレンティスが続けて放ったのは“メカ白野牛”でした。
「ホワイト・バッファロー」
(1977年/J・リー・トンプソン監督)
夜な夜な悪夢にうなされては二丁拳銃を乱れ撃つ迷惑親父ワイルド・ビル・ヒコック(←西部開拓史時代の有名人。チャールズ・ブロンソン)。
悪夢の正体は巨大なホワイト・バッファロー。
てっきり何か謂れがあるのかと思えば、会った事も無い“潜在的恐怖”(なんじゃそりゃ)。
で、この悪夢を終わらせるために、牛を求めて白銀の山中へ。
一方、ホワイト・バッファローに娘を殺されたスー族の戦士クレイジー・ホース(こちらも実在の人物。ウィル・サンプソン)も敵を求めてひとり雪原へ。
という歴史上の有名人ミーツ伝説の巨大牛という構図はなかなかに魅力的ではあります(ブロンソンだしね)。
雪山というロケーションも◎。ジョン・ウェインの砂埃ウェスタンやフランコ・ネロの泥濘マカロニも好きですが、神秘と清涼感漂う雪山西部劇も棄てがたい美しさがあります(「殺しが静かにやってくる」とか「ペイルライダー」とか)。
問題は、地に足を着けず滑るようにしかしドタドタと走ってくるメカ・バッファローなのですが、私は「アリ」に一票。
だってコレCGでやっちゃったら面白くもなんともないですよ(少なくとも“味わい”は感じられないでしょう)。
むしろ、話がそこに収斂する事を阻んでいる余計なエピソード(ビルとカスター将軍の確執とか)が多すぎる事の方が問題かと。
「テンタクルズ」と二本立てで観ると実に“いい感じ”な1本です。
※参考:「殺しが静かにやって来る」→2008年2月18日
「熟女も少女も一目惚れ。ペイルライダー」
→2010年5月12日
「正統派イタリア映画(笑)。テンタクルズ」
→2010年5月17日