『新しい組織を作るのか?と訊いている』
『だって誰も俺を認めてくれねぇから…』
『そうか。じゃ…戦争だな』
香港黒社会、2年に一度の会長選挙。組織の頂点に立つのは誰だ。
「エレクション[黒社会]」
(2005年/ジョニー・トー監督)
候補者は二人。仁義と伝統を重んじるロク(サイモン・ヤム)と、商売上手な野心家ディー(レオン・カーファイ)。
ディーは金をばら撒いて票確保に動くもロクに完敗。寝返った組員を粛清して前会長を拉致、会長の証である“竜頭棍(龍をあしらった木像でバトンとトロフィーを合体させたようなもの)”の奪取を画策する。
いわゆる「ゴッドファーザー的仁義なき戦い香港黒社会編」なのですが、今回なんと銃が出てきません。
暴力の基本は殴打。木で殴る。石で殴る。瓶で殴る。
殺しの大半が撲殺。木箱に詰め込んで坂道ゴロゴロ(引き上げてまたゴロゴロ)なんて変化球も。
異なる組の者が、ロクをボスと認め「契父」と呼ぶあたり、かっちょいいですね。
トー先生の説明不器用ぶりは今回も健在(?)で、本来登場人物の整理・紹介をする前半がややとっちらかり気味。
人物相関がつかめないイラ立ちを感じるかもしれませんが、要するにロク派とディー派が次期会長職を争って、会長の証となる“竜頭棍”を奪い合い、その他の組がいずれかに加担している、という事だけ押さえて後は適当に流した方がいいです。初回は。
ゴッドファーザーもそうでしたが、ココ一番の殺しの舞台はやっぱ釣りなんですね。
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