デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

トレンブルな正統派イタリア映画。テンタクルズ

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カリフォルニア沿岸に大ダコ出現! でも何故かイタリアンな匂いがプンプン。調べてみたら本当に生粋のイタリア映画でした(笑)。

 

「テンタクルズ」

(1977年/オリヴァー・ヘルマン監督)


とにかくチープ。“どこまで金を掛けずにジョーズのバッタもんが作れるかギネスに挑戦”したとしか思えない手作り貧乏映画です。

なんせタコが全く出てこない。たまに目玉部分だけの模型と、本物のタコのアップとシルエットが映るくらい。ハリボテでいいからもうちっとそれらしいもの作れよ。

クライマックスなんか泡がゴボゴボ立っている暗い海中で何かが蠢いている様子を細かく繋いでいるだけで何が何やら。

金が掛かったのは、ヘンリー・フォンダのギャラとシャチのレンタル料だけだと思います。

ただ、ヨットレースの会場に大ダコが来て全船ひっくり返してヒト入れ喰いなシーンは心洗われました。これで生存者ゼロだったら拍手喝采だったのですが・・。

公開時は“トレンブル・サウンドというセンサラウンドのバッタもん音響装置が話題でした(音響までバッタもんかい?!)。

とても効果的とは思えないストップ・モーション、B級臭満点なテーマ曲、クライマックスで突如鳴り響く勇壮な男性コーラス、前半の伏線を全く回収せずに主役交代してしまう穴だらけ脚本・・いやあ、イタリア映画最高です(←褒めてます)!