デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

女王様マニア必見。 海底軍艦

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『無駄な抵抗はやめろ神宮寺、ムウ帝国は必ず勝つ!』


となんの脈絡もなく(と言うか冒頭いきなり)「うる星やつら」でメガネが叫んでしまうくらい“誰もが知っている(はず)”の名作。

海底軍艦
(1963年/本多猪四郎監督)


うる星やつら」のスタッフには“海底軍艦マニア(いや、東宝特撮マニアか)”がいるようで(押井か伊藤だと思いますが)、よく小ネタに使われています。

「ラムとあたる二人だけの夜」であたるを拉致した黒メガネのコードネームが“工作隊員23号”(平田昭彦の役名)だったり。

劇場版「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」でも、友引高校の階段で轟天号がマンダに巻きつかれていました。

お話は突っ込み所満載。演出も大味。それでもこの作品が色褪せないのは、

  1. 轟天号は、敗戦直前反乱を企て、伊号403船と共に消息を絶った神宮寺大佐が“大日本帝国海軍復活”の為に建造した、という素敵な設定。
  2. 素晴らし過ぎる轟天号のデザイン(小松崎茂画伯!)と発進テーマ(伊福部先生!)、
  3. 丸の内大陥没という大掛かりなミニチュア特撮、そして、
  4. 小林哲子による凛々し過ぎるムウ帝国皇帝(ナンバーワン女王様!)

 


といった、戦史マニア、特撮マニア、女王様マニアのハートを鷲掴む要因が多々あったからだと思います(え、違う?)。

戦後20年という時代設定にまつわる名台詞がいくつかありますが、何故か私の心に残ったのはムウ帝国皇帝のこの一言。

『(一呼吸タメて)マンダの生贄にせよ!』

すげえ人でなしな台詞ですが、気品があるんですね、この人が言うと。