藤田まこと、火野正平、梅宮辰夫に草笛光子。
恐らくシリーズ最高平均年齢(…と思いましたが、入れ違いとは言え中村鴈治郎と山田五十鈴と木村功が出ていた「必殺仕事人」1作目が最高平均年齢ですね、多分)の異色作が放送開始(@時代劇専門チャンネル)。
「江戸プロフェッショナル・必殺商売人/第1話・女房懐妊主水慌てる」(1978年2月17日放送/工藤栄一監督)
異色なのは平均年齢だけではありません。
シリーズ初の2チーム制の導入(藤田・火野組&草笛・梅宮組)。決して信じず心許さず、互いを牽制しつつ、ひとつの仕事を完遂する緊張感。
草笛演じる“おせい”は、「必殺必中仕事屋家業」の元締め“おせい”と同一人物。つまり、本作は「新・必殺仕置人」の後日談であると同時に「仕事屋家業」の後日談でもあるという合体構造を持っている訳です。
更に主水の妻りつが懐妊し、「人殺しの分際で人の親になる」苦悩(藤田)と非難(梅宮)というアダルトな味付けも。
「懐妊ったって想像妊娠でしたってなオチじゃないの?」と思っておりましたが、これがマジ妊娠で、最終回に悲しい結末を迎えてしまいます。どこまでもアダルティ。
音楽は平尾昌晃が畑中“後から前から”葉子に手紙を書くのに忙しかったため、森田公一が初登板。力強くも哀愁漂うBGMを奏でております(主題歌は小林旭「夢ん中」)。
いやホントお子様(ジャニーズ)が出てないと落ち着くわ。主水の太刀筋の豪快さはシリーズ1かも。
「必殺仕業人」から「新・必殺仕置人」を挟んで本作、中村主水シリーズの頂点を極めた三部作ではないでしょうか。