「シャイニング」でエレベーターのドアが開くと鮮血が溢れ出してホールの家具を薙ぎ倒す、という心震えるシーンがありますが、あの血の洪水を“蛇”を置き換えるとこの映画になります。
「人蛇大戦・蛇」
(1982年/オウ・ザイケイ監督)
人蛇大戦と言っているのに更に駄目押しで“蛇”。
そんなに蛇を強調したいのか?と思って観たらその通り!どころか足りません、全然。
「人蛇大戦・蛇!蛇!蛇!」とかでもいいくらいです。
手抜き突貫マンション建設の現場に大量の蛇登場!(全部ホンモノ)
邪魔だとばかりにショベルカーがっこん!スコップずっぱん!叩く千切る踏み潰す(全部ホンモノ。血の池地獄)。夜は蛇スープで大宴会(乾杯!)。
仕返しだとばかりに蛇軍団が労働者詰め所襲撃。司令塔は巨大ボア(こいつだけニセモノ半分)。
スネーク・マスター(多分、蛇専門の大道芸人)対巨大ボアのカンフー対決で事は決着したかに見えましたが、ボアは一匹ではなかった!
かくてマンションの完成披露パーティ当日、マンションは巨大な蛇風呂となるのでした。
主役の設計士がミラーマンの人に似ているとか、ゴブリンの「ゾンビのテーマ」無断流用とか、ダンスホールの生演奏が「ビューティフル・サンデー」とか微笑ましい突っ込み所も多々あるのですが、やってる事が人でなしの極みなので全部チャラ。
マングースが蛇ぶっちん、日本刀で蛇すっぱん、火炎放射器で蛇ぼーぼー、全部ホンモノ(しかも無駄に長い)。一体何匹の蛇殺したんでしょ。
蛇嫌いの人にとっては「いやぁ!」ですが、蛇好きの人にとっても「いやぁ!」な香港スピリッツの満漢全席。
関係者一同が祟られていない事をお祈り申し上げます。