デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

擬似海外版? 新幹線大爆破[BS朝日メッタ切りバージョン]

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153分の映画を2時間枠で放送・・無茶するなあBS朝日。

新幹線大爆破(1975年/佐藤純弥監督)

放送は8月7日。ニュース・天気予報無しの2時間枠なので、解説・CM・予告さっ引くと正味95~100分程度。

ん?という事は、フランス公開版「Super Express 109」とほぼ同尺。

擬似海外版特別放送だと思えばちょっとお得と言えなくもない・・か?

アクション部分を中心に繋いでいるので、展開が速い速い。息つく暇無し。

その分、ドラマ部分端折りまくり。情緒も深みも味わいも根こそぎ割愛

犯人の背景描写ゼロなので、動機不明。高度経済成長に取り残された町工場の悲哀とか、学生運動の敗北とか全部無視。なので、古賀(山本圭)の、

『いいじゃねぇか……浩が死んだって、俺が死んだって、極端に言やあアンタまで死んだって、この仕事をやり遂げりゃ、俺たちは見苦しくなくなるんだ!』

という慟哭の意味がまるで伝わって参りません。健さんも圭さんもただのテロリスト。

更に、政府が北九州工業地帯新関門トンネルを守るために、手前の田園地帯で新幹線を停車させる(=爆破させる)決断をするあたりの過程もすっこーんとカット。

なので、倉持司令長(宇津井健)の『私は1,500人の命を見捨てたんだ!』という叫びも真意がいまひとつ伝わって参りません。

こういう放送は誤解を招くから止めてほしいなあ。この放送で初めて本作に触れた方、是非ノーカットオリジナル版をご鑑賞ください。

★ご参考 

mandarabatake.hatenablog.com