何か違う方向に箍(タガ)が外れちまったなあ。
「テキサス・チェンソー・ビギニング」
(2006年/ジョナサン・リーベスマン監督)
オリジナル“いけにえ”ではなく、リメイク版「テキサス・チェンソー」の前日譚です。
優れたホラーに必要なのは“ユーモアのセンス”(←勝手な持論)。
「悪魔のいけにえ」の“何で今日はこんなに来客(?)があるんだ?!”と狼狽するレザーフェイスとか、“オーナーの動きに合わせて車の窓拭きをするように躾けられているバーベQ屋の男”とか。
なので、こういう徹頭徹尾ゴア・シーンのみで構成された(しかも、前日譚故、「誰も倒せないし誰も助からない」が与件)はチトキツイ。
唯一、ホイト(リー・アーメイ)の「バランスだ」の台詞には笑わせてもらいましたが。
女が逃げ込んだ車の後部座席にトーマス(レザーフェイス)が潜んでいるのはカットが繋がらず興ざめ。その前の状況から、瞬間移動でもしない限り物理的に不可能です。
ホイトもトーマスも最初から狂っているし、どこがビギニングなんだか。
これをエンターテイメントと呼ぶのは抵抗あるなあ・・。