デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

途中で拳銃変わってね? サブウェイ123 激突

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スタイリッシュでアバンギャルドな(と作った人たちだけが思っている)映像と音楽に乗せて展開する「サブウェイ・パニック」90年代MTV風リメイク。

 

「サブウェイ123 激突」
(2009年/トニー・スコット監督)


平均点を下回る事はないが、上回る事も絶対ない職人監督の面目躍如(笑)。

ペラム駅1時23分発の地下鉄を何者かがハイジャック(原題:The Taking Of Pelham 123 )。偶然犯人からの無線をとった地下鉄運行司令室のバーガー(デンゼル・ワシントン)は成り行き上、交渉人的立場に。

流石トニー、あの渋~い男のドラマをチャカチャカとした忙しないB級アクションに換骨奪胎(←褒めてません!)。

にしても出てくる奴が馬鹿ばっか

こんな状況でもパワハラに余念がないバーガーの上司。身代金を陸路で運んで景気良くクラッシュしまくる白バイ&パトカー。狙撃の瞬間、鼠に噛まれて誤射するSWAT・・。

映像チャットで車内の様子をネットにアップしている女がいるのに捜査班放置ってのはどういう事だ(大体この女も人質になっている彼氏に向かって「愛してるって言って」とか馬鹿か)。

犯人(ジョン・トラボルタ)の動機も今ひとつ分かりませんし(彼も「ソード・フィッシュ」の時に比べるとかなり偏差値貧乏になっています)、民間人のバーガーが犯人逮捕に入れ込む理由も分かりません(オリジナルのウォルター・マッソーは地下鉄公安部の人)。

突っ込み所満載ですが、一番気になったのはバーガーの拳銃すり替えイリュージョン

身代金運搬に指名されたバーガーに警察官が銃を渡して使い方(安全装置の外し方)をレクチャーするのですが、この時の銃はPPK(写真上。グリップにWALTHERの文字が)。

で、これを実際に使う段になったら全く別物に早変わり。

一瞬SIGかと思いましたが、銃身後部がスコーンと裁ち切られていて撃鉄が見えなかったのでGLOCK・・にしてはトリガー・ガードが丸い・・ので、GLOCKをベースにやっつけで作った撮影用改造銃ではないかと(勝手な想像。違ったら御免よ)。

SIGにしてもGLOCKにしても安全装置は内臓型。手動操作は出来ないので、あの警察官のレクチャーは伏線以前に無意味。

オチもなんだかなぁな脱力系。オリジナル未見の方は是非オリジナルをご覧ください。

※ご参考