2作目「ブギーマン」の時もそうでしたが、それなりの起承転結を以て幕となった話の直線的な続編は緊張感の持続が難しいです。
キャラクターの説明は不要なのに、なかなかドラマが走らない。
作り手の苦悩を愉しむ変則的作品です。
「ハロウィン5/ブギーマン逆襲」
(1989年/ドミニク・オセニン=ジラール監督)
ローリーの遺児ジェイミーは前作の恐怖で失語症になりますが、代わりに「デッドゾーン」的千里眼能力が(一応、工夫はしている)。
墓地でダイナマイト攻撃されたマイケルは「ランボー」ばりの地下通路逃走劇の末、川へ。
墓守に助けられたマイケルはそのまま翌年のハロウィン・イヴまで冬眠(嘘ぉ!)。
『ああ、もうハロウィンかあ。さあて、お仕事、お仕事・・』
で、前作とほぼ同じ面子が代わり映えのしない攻防を展開します。
別に同じでも構わないのですが、「スクリーム」の“続編の法則”「より派手に。血糊も死体も2倍2倍」は守って欲しかったなあ。
マイケルか、と思ったら馬鹿な兄ちゃんの変装、ってのはよくあるスカシですが、これを2度3度と繰り返してしまうあたり、作り手が“攻めあぐんでいる”のが良く分かります。
ドナルド・プレザンスのエキセントリックな演技でかろうじて救われていますが、前作のテンションはダダ下がり。
脚本の評価点は、ドクター・ルーミスの『奴が地獄の業火に焼かれることを望んだが、地獄すら受け入れてくれなかった』という名台詞くらいでしょうか。
最後にマイケルを助ける謎の人物が登場して“To Be Continued”。
オチを考えるゆとりもなかったのでしょう。
ドミニク監督「適当にそれっぽく終わらせたから。あとはよろしく。じゃ!」
ジョー・チャペル(←「6」の監督)「勘弁してくれよう」(あくまで想像ですが・・)
さて、ドミニクの“投げっぱなし”演出をジョーは回収する事ができるのでしょうか。