95年にリメイクされた「光る眼」のオリジナルをようやっと鑑賞。
「物体X」では見事なオリジナル超えを果たしましたが、今回はちぃっと分が悪いぞカーペンター。
「未知空間の恐怖/光る眼」
(1960年/ウォルフ・リラ監督)
とある村の住民が一時的に全員失神。目覚めたら村中の女が妊娠。生まれた子供は皆金髪で尋常でない成長を遂げ、集合的意思を持つ超能力者だった・・
・・という内容は新旧ほぼ一緒。特撮に頼らないシチュエーション型侵略SFなのでテクノロジーの進化による差別化はできません。
リメイク版の舞台はカリフォルニアの海岸沿いでしたが、オリジナルはイギリスの田舎町。
このお話の知的な雰囲気はやはり英国の空気感あったればこそ。子供たちの服のセンスからして違います(写真上がオリジナル)。
オリジナル79分に対してリメイク98分。この19分差がそのまま“冗長”“大味”に繋がっているような。
結局、リメイクの意義は、クリストファー・リーヴ、マーク・ハミル、マイケル・パレという“世界三大一発屋”夢の競演というマニアックな一点に。
特にリーヴは自力で動く最後の映像で大変貴重です。
オリジナル版で、ソ連が超能力者を壊滅させるために核ミサイルを打ち込んで村ごと消去してしまうという選択は「デビルマン」(原作)で流用されていました。
また、子供たちに心を読まれないために“ブロックの壁”を思い描き続ける所は、楳図かずお版「ウルトラマン」のメフィラス星人の巻で引用されていました(どっちもどこまで意図的かは分かりませんが)。
「ザ・チャイルド」と2本立てでどうぞ。