『女はどうか知らないが、男には2種類しかない。
プロか馬鹿だ』
『男も女も2種類しかいないわ。死ぬ奴と笑う奴よ』
歯が空中遊泳しそうな台詞ですが、原作者:石浜新次郎(と脚本家:江口達夫)が矢作俊彦の変名とあらば致し方ありません。
「レディハンター/殺しのプレリュード」
(1991年/三池崇史監督)
2008年にレビュー済みですが、VHSを入手して再見したので三池信者として布教させて頂きます(「十三人の刺客」大入りおめでとうございます)。
という設定は「いくらなんでも」ですが、思いのほか軽い身のこなしや、急ごしらえの自家製トラップ、
『戦略的撤退?』『まさか。戦術的沈黙でしょ』
なんて台詞の積み重ねで、後半には「ああ、そうかもな」と思い・・ませんか。
発売は「突風!ミニパト隊/アイキャッチ・ジャンクション」が先ですが、実質、三池の監督デビュー作(製作会社が倒産して手間取った)。
全編78分なのにタイトルロールに12分かけるバブリー仕様。
取り壊しが決まっている廃アパートをロケ地にして、一足先に取り壊してしまうエコな撮影も素敵です。
傭兵が司令官の首筋に手を這わせた時、「嗚呼、三池はやっぱりホモが好きなんだなぁ」と。
アルジェントの「歓びの毒牙」同様、“デビュー作には監督のやりたい事が詰まっている”テーゼの見本ですね。
★ご参考