
監督の意図的な演出だったのか、それとも誰も止める事ができなかったのか。
持てるキャラクターを総動員して暴走する珍獣・竹中直人こそ本作の主役でしょう。
「テラ戦士ΨBOY」(1985年/石山昭信監督)
テレビ局が絶対逆らえない大手スポンサーのCM(それも複数)を盾にレギュラーを増やし、所構わず家族の幸せを撒き散らす清く正しく美しい(ちょっとイラっとする)女・菊池桃子。
彼女がまだイノセントだった頃の映画です(遠い眼・・)。
地球外生命体BOYを救う為、運命的な集まったMOMOKO(菊池桃子)ら超能力者集団の活躍を描く・・ってなストーリーは置いといて・・。
エスパーの量産と悪用を画策するゴールデン・フレイムの幹部マルイが竹中の役どころ。
低音効かせたマッド・サイエンティスト然としていながら、突如高音でひとりボケ、ひとり突っ込みの(誰も絡めない)芝居を繰り広げ、挙句、偵察員・片山(早乙女愛!合掌)に一目惚れして松田優作に大変身・・。
MOMOKO側のエスパーが、情報を得ようとマルイの頭の中を覗くと、そこは炸裂する妄想の坩堝(既に片山と結婚して平和な家庭を築いている)・・。
竹中直人の真の凄さは、当時から今日に至るまでその芸域が1ミリも広がっていない、という所にあるのですが、それはまた別の話・・。
既に完成形となっている竹中直人の異能っぷりをご堪能ください。
この3年後、菊池桃子は伝説の(?)バンド、ラ・ムーを結成。久しぶりに「愛は心の仕事です」が聞きたいな(あ、あと、Minako With Wild Catsの「あなたと熱帯」も)。