デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

志麻、乳出さずも丹波大満足。 雲霧仁左衛門

イメージ 1

『例えば、もしお前がある日突然、身に覚えのない汚名を着せられ、家名は断絶、その身は切腹、一族の果てまでも極刑の憂き目にあった上、さらに、愛しく思う女さえも奪われてしまったとしたら、お前はどうする? その男は一身一家の怨念を晴らすべく、天下の法に戦いを挑んだとしたら、たとえ役目とは言え、その男にかける縄をおぬしは持てるか?』

長々と引用してしまいましたが、ちょっと男泣きなシーンだったので。

 

「雲霧仁左衛門(1978年/五社英雄監督)


原作愛好者からは“評価の対象外”的扱いを受けておりますが、役者に知らぬ者無きキャスティングは正に大型時代劇。

詰め込みすぎのエピソードを役者の顔力だけで乗り切る豪腕演出が逆に心地よい快作ですが、やはり目につくのは女優陣のあからさまなヒエラルヒー

大物・岩下志麻は濡れ場はあっても乳吹き替え。

倍賞美津子は入浴シーンがあっても乳手ぬぐい隠し。

松坂慶子に至っては太もものみ。

景気良く乳出していたのはにっかつから出向してきた宮下順子ただ一人。

志麻、お前も女優なら濡れ場くらい自分の乳でこなさんかい。

で、志麻が役得かと言えばさにあらず。相手役、丹波哲郎の容赦ないディープ・キス雨あられと見舞われ、ほとんど罰ゲーム。

丹波は吹き替え女優の乳も揉んでいるので一挙両得。さすが忘八、抜かり無し。

志麻は後半、全く意味のない丸木渡り(協力:木下大サーカス)までやらされて立てられてんだか馬鹿にされてんだか。

大体、堀を渡らせようとする時に出すのは板だろ板。丸木は出さんだろ普通。良く見りゃ画面の隅に橋のようなものが映っていて五社マジック炸裂。

『お前の生き様とわしの死に様とどっちが道か・・』

突っ込み所は数知れずですが、多すぎる登場人物各々が抱える過剰な想い(断ち切れぬ怨念と思慕、正義と矜持)が渦巻く熱い時代劇だと思います。

にしても成田三樹夫は男前だ。

※追記:よく見たら、志麻が渡ったのは丸木じゃなくてツルツルの竹でした。よけい酷い。実用性ゼロです。恐るべし、木下大サーカス