デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

真の主人公は誰だ!? ザ・ホード/死霊の大群

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『母親が見ても分からないくらいボコボコにしてやる!』

移民ギャングに仲間を殺された刑事数名が令状不要・逮捕無用の敵討ち。

郊外の半廃墟ビルにカチコミ敢行!・・したものの敢え無く返り討ち。全滅か!?と思った瞬間、一足先に殺されていた潜入捜査官がゾンビになって大暴れ。

外はと見れば、街は火の海、足元には数百・数千のゾンビの群れ。一体何が起きているんだ?

「ザ・ホード/死霊の大群」

(2009年/ヤニック・ダアン&パンジャマン・ロシェ監督)


昨日からの流れで最新ゾンビものを。フランス産全力疾走系ゾンビ物量作戦バージョンです。

生き残った移民ギャングと刑事は脱出の為にチーム呉越同舟(もしくはチーム疑心暗鬼)を結成しますが・・。

ゾンビ化の説明皆無な上に、脱出後の算段(移動手段の確保、目的地の選定)無しのノープラン・サバイバルなので、色々考え始めると訳が分からなくなります。

ここは一番、頭を中学生にして、シチュエーション・アクションを愉しみましょう。

全力疾走ゾンビが怖いのは、開けた室外よりも廊下のような閉塞空間であるというのは「REC」2作で証明済み。

サバイバーはギャングに刑事にベトナム帰りの爺さんという、人殺しと銃火器の扱いに長けたプロばかり。

『フランス魂を見せてやれ!』
『俺を誰だと思ってやがる!ナイジェリア人だぞ!』
『ジジイを舐めるな!』

偏差値貧乏な啖呵がそこかしこで景気良く炸裂。

後の事はさておき、まずは誰が生き残るのか、をテーマに書かれた脚本のようです。

注目は紅一点の女刑事オロール(クロード・ベロン)。

最初にギャングに殺された刑事と不倫関係にあり、その子供も妊娠しているビッチ・キャラ。ギャングはもとより仲間も信用せず、ゾンビは素手でボッコボコ。

はてさて、最後に笑うのは誰でしょう。

ポルト国際映画祭最優秀脚本賞・最優秀撮影賞/ジェラルメ映画祭 SCI-FI審査員賞/シッチェス・カタロニア国際映画祭ノミネート。