全日本木刀伝説。 ワル/下妻物語
しつこく続けます武器ネタ話。
太く硬く黒光りする観光地の定番商品。京都の寺は言うに及ばず、奈良の東大寺山門にも、浅草寺仲見世にも、江ノ島江島神社にも、必ず置いてある定番中の定番、土産物屋のアイデンティティーと言っても過言ではない時空を超えた名産品、それが木刀です。
その観光地と何の関係があるのか、誰に売ろうとしているのか、何の為に売ろうとしているのか、誰も知りません。
普通に考えれば、修学旅行に来た学生の闘争本能を焚きつけて軍団抗争を勃発させて流血試合を堪能するため、ということになるのでしょうが、それが地域振興とどう関わっているのかは誰も知りません。
分かっているのは、本屋に本があるように八百屋に野菜があるように、土産物屋には木刀がある、という事実だけ。
木刀だけではありません。何故か観光地の土産物屋には武器、とりわけ古武術に関する武器が多数売られています。
かつて、鎌倉の大仏前にある土産物屋には木刀の他、ヌンチャク、サイ、トンファーなど中国武術系の武器が多数売られていました(今も売っているかどうかは知りません)。
昔、日本古武道家が刀の素振りをしているビデオを見ました。素人目にも隙だらけに見えたので、古武術愛好家の友人に聞いたところ、「ああ、あの人たちは最初の一撃が全てですからね。二刀目なんてないんですよ。外せば死ぬ、それだけですよ」という素敵な答えが返ってきました。
渾身の一撃。外せば死。なんか古武術!って感じがするじゃないですか。
因みに、スペイン、ポルトガルの土産物屋では例外なく剣が売られていました。国境の土産物屋には日本刀のイミテーションが。
木刀で思い出すのは「ワル」、そして「下妻物語」。時代も性別も超越したスタンダード・アイテムなんですねえ(しみじみ)。
※参考:「牛久大仏とホットスパー、これぞ茨城。下妻物語」→2008年8月6日
「ジャパン・アルカイダって。悪 WARU[完結編]」→2009年8月29日