デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

依頼人とシンクロする復讐者。 パンプキンヘッド

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DVDの中古がamazonで14,500円~38,000円。貧乏人苛めるなよ。

仕方が無いので輸入版購入(1,228円!)。

その詩的な佇まいは「ヘルレイザー」と双璧を成すと言って良いモンスター物の良作でした。

「パンプキンヘッド」(1988年/スタン・ウィンストン監督)

「エイリアン」 「ターミネーター」「プレデター」の特撮担当として、「シザーハンズ」「バットマン・リターンズ」の特殊メイク担当として、知らぬ者なきスタン・ウィンストンの監督第1作。

不幸な事故だったとは言え、息子トムを轢いて逃げた若者たちに父エド(ランス・ヘンリクセン!)の怒り爆発。

彼は子供の時に一度だけ目撃していました。人の恨みを晴らしてくれる伝説の魔物、パンプキンヘッドを。

パンプキンヘッド復活の秘儀を知る老女を訪ね、全財産はたいてエロイムエッサイム!

パンプキンヘッドは時折、視覚をエドとシンクロさせます。依頼者と意識を共有する復讐者・・パンプキンヘッドはイドの怪物なのかもしれません。

着ぐるみとマペットの中間的な造型の素晴らしさ、月に照らされた夜の山林を、朽ち果てた教会を、ゆっくりと徘徊する絵画的美しさには格調すら感じてしまいます。

自身の悪意におののいたエドは、制御不能の殺戮神となったパンプキンヘッドを止める為ある決心を・・。

暗く悲しい話でありながら、フォークロアな神秘性とモンスター物の存在感を同時に実現・・このバランス感覚は正にセンス(こーゆー映画はマーケティングとか言うそろばん弾きからは生まれない。絶対)。

因みにヒロイン、トレイシー役のシンシア・ベインは「スポンティニアス・コンバッション」のヒロイン演ってた人。素晴らしいプロフィールです。

北米版はCollector's Editionで特典満載なのですが、インタビューとかは英語字幕もないので、ちとシンドイ(ってか全く分からない)。特典完全移植で再発してください、パイオニアさん!