デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

骨折するまで抱きしめて。 アナコンダ

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ジョン・ヴォイトって若い頃は作品には恵まれているのに華がないと言うか、何故か印象に残らない役者さんでした。

思うにその理由は善人役ばかりだったからではないかと。「コンラック先生」「オデッサ・ファイル」「帰郷」「チャンプ」・・・。良い映画なのですが、どれも正義と善意と愛情と・・で何か喰い足りない感じ。

まさか悪役でここまで弾けるとは・・。

アナコンダ(1997年/ルイス・ロッサ監督)

幻の民族を求めて船でアマゾンに分け入る人類学者(エリック・ストルツ)と撮影クルー(ジェニファー・ロペスアイス・キューブその他)。

途中、エンジントラブルで難儀していた男サローン(ジョン・ヴォイト)を拾うのですが、これが悪魔よりタチの悪い厄ネタ野郎。

アマゾンには詳しいと、ガイド役を買って出て、支流から支流へ進路を変えつつ、徐々に船の実権を掌握。

彼の狙いは巨大アナコンダの生け捕り。船の乗組員は“撒き餌”です。

アナコンダのCGは今観るとかなりショボく、人間対モンスターの攻防だけで話を引っ張るのはちょっと難。

そこで、蛇より恐ろしい奴を人間側に紛れ込ませる策に出た訳ですが、ジョン・ヴォイトがここにドンピシャ。生理的な気色悪さもアナコンダに引けをとりません。

飲み込まれ、半消化状態で吐き出されてもジェニファー・ロペスにウィンクする事を忘れない礼儀正しい悪党です。

オープニングでダニー・トレホがちょびっと登場してB級の誉れを上塗りしています。