西原理恵子の漫画が映画化ラッシュです。
09年以降だけでも「いけちゃんとぼく」「女の子ものがたり」「パーマネント野ばら」そして「毎日かあさん」「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(最後のは元夫鴨ちゃん原作ですが)
高度経済成長期の高層ビル乱立の如き怒涛の映画化(税金払えよサイバラ)。
が、しかし。
興行的にはことごとく失敗で、ヒットには程遠い成績だそうです。何故でしょう。
識者(笑)のご高説によれば、「原作のファン層と映画のターゲットが異なる」からだそうですが、違うと思います(お前、サイバラの漫画読んだ事ないだろ)。
私もサイバラ映画を観たいとはビタ一文思いません。理由は簡単、そこにいるのがサイバラじゃないから。
私がサイバラ漫画を読むのは、そこに平成の無頼・西原理恵子がいるからです。
ノンフィクションは言うに及ばずフィクションですら(人の涙腺突きまくる卑怯な鬼泣かせ漫画でさえ)、そのキャラクターの向こうにサイバラを幻視しています。
例えスクリーンに映っているのが、永作であろうが深津であろうが小泉であろうが、所詮はサイバラのフリをしている役者さん。言葉は悪いですがニセモノです。
じゃ、西原が本人役で出る、もしくはドキュメンタリーならいいかと言うとそれも駄目。
なぜなら、リアル西原には、アナーキストという読み手側のファンタジーを投影する事ができないから(現物は案外フツーの人‐特に子供が出来てから‐なんだと思います)。
最早、西原本人ですら表現不能なモンスターと化しているサイバラを役者が演じるなんて笑止千万父兄同伴歩行者横断です(←30年前のギャグだな)。
そして何よりもあの下手糞な絵、アシスタントの愛ちゃんが色を塗ってくれなければ到底鑑賞に耐えないあの絵がなければサイバラではありません。
大体、映画化に選んでいる原作がいかにも女性受けしそうな奴ばかり(つまり、原作のファンと映画のターゲットは一致している)。ここに喰いつく黒サイバラファンは少ないぞ。
どうしてもやりたいなら、「カリガリ博士」みたいなパースの狂ったセットとアニメ合成して、高須がアメックス・ブラックカード切りまくって、ニンフォ志麻子がフ○ラしまくって、ホモ勝っちゃんとハードゲイさとちゃんと借金10億円末井どんその他ブレーキの壊れた連中総出(アニメ+本人顔出し)の“人生解毒波止場”にしてください。
結果は同じ惨敗だと思いますが、私は観ます。多分。