デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

今からでも遅くない、邦題変えろ! バス男

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「僕には何のスキルもない」
「スキルって?」
「ヌンチャクのスキルとか、ボウガンのスキルとか、コンピュータ・ハッキングのスキルとか。そういう取りえがなきゃ女の子にはモテない」

オタクにもなれなかった冴えない男の熱くダルくユルくグダグダな日々。

バス男(2004年/ジャレット・ヘス監督)


ここはアイダホ。田舎町。常時半開きの口と常時半閉じの目、ダサイTシャツで小学生が使うスクールバスで登校する高校生ナポレオン・ダイナマイトジョン・ヘダー)。

特に事件があるわけではありません。

ナポレオンと彼を取り巻く不思議な面々(チャット中毒の兄、82年で思考が停止した叔父、唯一の友人ペドロ、やはりイケてない女の子デビー・・)のまったりした日常を外しすぎにも程があるオフビートなリズムで刻む半笑いコメディです。

話の起伏があるようで無い(「ゴーストワールド」と「不思議惑星キン・ザ・ザ」を足して平板化した感じ)ので、ストーリー重視の人はノレません。

独特の“間”を楽しめる人にはお薦めです。

一応、後半には「おお!」となる盛り上がりはありますし、観終わった後には妙な清涼感が残ります。

多くの人が指摘・糾弾していますが、本作に「バス男」という邦題をつけたフォックスの社員は海より深く反省するように(原題は主人公の名前NAPOLEON DYNAMITE)。

制作費400万円。全米興行収入40億円超。
全米コメディフェスティバル最優秀作品賞
ゴールデンサテライトムオリジナルスコア賞
MTV映画賞2005最優秀作品賞
サンダンス映画祭正式出品作品。

歩留まりの良い映画です。

※参考:「ゴーストワールド」→2008年7月23日
    「不思議惑星キン・ザ・ザ」→2011年3月1日