やたらと景気の良いテーマ曲、光りながら何度も挿入される原色のタイトル(柔道一直線のように飛び回る人間のシルエットが合成されている)。
どう見ても馬鹿映画ですが、意外や中身は正統派。
「地獄のバスターズ」
(1976年/エンツォ・G・カステラッリ監督)
第2次世界大戦末期のフランス。泥棒やら上官殺しやら軍規違反やらで刑務所に移送される米兵(リーダー格はボー・スヴェンソン)が独軍襲撃のどさくさで脱走。中立国スイス目指して一直線!
途中遭遇したドイツ軍を殲滅・・したと思ったら実は独軍に偽装した米軍特殊部隊だったからさぁ大変。
部隊の目的はドイツ軍の新兵器「V2ロケット/ジャイロ・コンパス」。
案内役であるアルチザンに囲まれた彼らは咄嗟に特殊部隊を装い、成り行きで、この密命を引き継ぐハメに。
能天気かつ破天荒と見せかけて、芯は「ナバロンの要塞」「特攻大作戦」に通じる正統派ミッション・インポッシブルもの。
冒頭からきっちりキャラクターを描き分けているので、ひとりまたひとりと倒れていく様に悲壮感が漂っています。
ミニチュア丸分かりですが、派手派手なクライマックス(ペキンパーばりのスローモーション付き)は好感触。
「はい、おしまい!」って感じでぶった切るエンディングも“いい感じ”。
テレビ放送時のタイトルは最初が「V2ロケット強奪大作戦」、次が「ドイツ軍用列車」。ビデオ題が「地獄のバスターズ」。
原題は勿論「イングロリアス・バスターズ」。
※参考:「イングロリアス・バスターズ」→2010年11月17日