"Kill me Alan; for God's sake kill me!"
"No No I can't, I can't!"
"Emile! Emile!・・Emile!"
※TV放送時の吹き替えは『エミールを…私の息子を…ああ、エミール!!』
傭兵ものの代表作にして男子必携の教科書です。
「ワイルド・ギース」
(1978年/アンドリュー・V・マクラグレン監督)
アフリカ某国。軍事政権によって拘禁された黒人指導者リンバニ救出のため組織された傭兵部隊。
リーダーは元将校のアラン(リチャード・バートン)。他に作戦参謀のレイファー(リチャード・ハリス)、パイロットのショーン(ロジャー・ムーア)、元南アフリカ警察官コエジー(ハーディ・クリューガー)ら総勢50名。コードネームはワイルド・ギース。
メンバーのほとんどが戦場でしか生きていけない(日常生活に馴染めない)社会生活不適合者(しかもロートル)。唯一、リチャード・ハリスだけが一人息子エミールとの静かな生活を望んでいましたが・・。
雇い人はアフリカ某国で銅山の権利を持つ富豪。計画遂行中に現軍事政権と“手打ち”を行い、邪魔になった傭兵とリンバニを敵地真っ只中に置き去りに。
退路を絶たれた傭兵部隊はひとりまたひとりと命を落とし・・。
C-130からパラシュートで一斉降下するシーンが圧巻。
救出したブラック・アフリカン、リンバニとホワイト・アフリカンであるハーディ・クリューガーの思想的距離が少しずつ縮まっていく過程も見所です。
ただ、ハーディの得物であるクロスボウを“石弓”と訳すのはちょっと・・(本来、石弓は城壁から侵入者に向かって石を落とす仕掛けの事)。まだボーガンという名称は一般的ではなかったという事でしょうか。
DVDは全体的に字幕が手抜き且ついい加減(ジャケットの解説は間違いだらけ)。
本作くらい“吹き替え”が望まれる映画もないのですが、付いてきたのは“耳を覆いたくなる偏差値貧乏なコメンタリー”(いい加減にしろよ東北新社)。
どこか心ある出版社、吹き替え付き、馬鹿コメンタリー抜きで再販してください。
※2013年に吹き替え付き・馬鹿コメンタリー抜き・特典満載Blu-ray発売。ありがとうHappinet。