デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

能面&夢二inニュージーランド。 デモンズ2001

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よもやニュージーランド産のオカルト映画で夢二のポスターを見ようとは。

広いようで世間は狭い。

「デモンズ2001」(2000年/ゲレン・スタンドリング監督)

言うまでも無く本家「デモンズ」とは縁もゆかりもない別物。

とは言え、原題が「THE IRREFUTABLE TRUTH ABOUT DEMONS」なので、“前の方を省略しただけ”の「デモンズ」と呼べなくもありません。

新興宗教批判をしていたために、悪魔崇拝カルト教団に眼をつけられた考古学教授ハリー(カール・アーバン)。

薬漬けで拉致されるは、恋人殺されるは、生徒殺されるは、しかも状況的にどう見ても犯人ハリーだはで最悪の佃煮。

唯一の味方が謎の女ベニー(ケイティ・ウルフ)・・なのですが、彼女は単なるキチ●イの可能性も・・。

いや、それ以前に全てがハリーの妄想かもしれず、果たして真相は・・という凝った構成になっており、飽きる事無く引っ張ってくれます(出番僅かですが、CGのデモンズもいい感じ)。

ベニーの住むアパートは気の触れた人間の巣窟。部屋は黒魔術系の小道具で一杯。壁には能面やら夢二のイラストやらカタカナのような文字やらが紛れていて不思議感倍増。

日本版のDVDジャケには中世の古城のような洋館と剣を持ったコナン・ザ・グレート・コスプレのカール・アーバンが映っていますが、そんな場所も武器も出てきません。

乗り込むのはハリーの生家で、武器はマチェーテ(しかも持っているのはハリーではなくベニー)。嘘八百です(いい加減にしろよSPO)。

全体の雰囲気は「メサイア・オブ・デッド」に近く、本作も“カリガリの末裔”と言えるかもしれません。

※参考:「命名:騙し絵ホラー。メサイア・オブ・デッド」→2011年5月12日