
『俺はあんたが好きだ。大好きなんだよ』
『お前みたいな奴が大好きなんだよ』
『これで俺たちはダチ公よ』
『俺もお前が好きだ』
佐藤蛾次郎が原田芳雄に、地井武男が藤竜也に、原田に、そして原田が蛾次郎に。
告って告って告りまくる愛の連鎖。
「反逆のメロディー」(1970年/澤田幸弘監督)
大阪の老舗やくざ淡野組が解散。家と禄を失って浪人となった哲(原田)は、腹違いの兄が仕切っている茨城の立花組へ。
しかし、兄は服役中。姐さん(富士真奈美←痩せている!)ひとりでは思うに任せず、シマの実権は広域暴力団・矢頭組に。
元淡野組の原田、矢頭組幹部の星野(地井)、そして淡野組に潰された組の生き残り政次(藤)。利害関係ありまくりな3人が、やがて相思相愛の間柄(妙な絵柄を想像するなよ)に。
『遅いじゃねぇか』
『遅い? 11時の約束じゃ・・』
『本当に会いたい相手なら1時間は前に来るもんだ。俺ぁ1時間待ったぜ』
“欲しくて貰った杯じゃねぇ”と組にも楯突く跳ねっかえりのやくざを気障に決めるチイチイも最高ですが、何と言っても本作の裏主役は流れ者“ゲバ作”を演じた佐藤蛾次郎。
『やっつけろ!ぶっ壊せ!』と舞台のミュージカルのような動きで立花組の若手を煽動し(この程度のアジに乗せられる立花組もどうかと思いますが)、ダイナマイトを撒き散らして大暴れ。
しかも! 元淡野組組長の息がかかった建設会社(利権漁りまくり)へのちょっかいを原田に禁じられると、バイクを押しながら朗々と心情を歌いだし、海辺でギター片手に一晩中弾き語り(“ふれあい”を歌う中村雅俊をイメージしてください)。
濃すぎて藤竜也と紅一点・梶芽衣子が割り喰っちゃってます。
矢頭組にビール瓶で頭割られる立花組若手に沖雅也の姿が。
原田が、ジージャン、ジーパン、サングラス、ロン毛という異色の(しかし実に70年な)やくざ像を魅せるアナーキン・ザ・JPな青春群像映画です。