飲んだ翌日、ポケットから身に覚えのないもの(ラーメンの替え玉とか、調理前の生牡蠣とか、卓球のラケットとか、リラとかペソとかウォンとか)が出てくる人にとっては、耳の痛い映画でしょう。
「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009年/トッド・フィリップス監督)
内容を的確に言い当ててはいますが、センスの欠片もない邦題です。
結婚を明後日に控えたダグは悪友フィルとスチュ、義弟となるアランと4人でバチェラー・パーティ。
義父のお宝ベンツで目指すはラスベガス! ホテルのスイートで着替えて乾杯! よーし、遊ぶぞー!
翌朝…。ホテルの部屋は荒れ放題。スチュの前歯がなくなっている! バスルームにトラがいるぞ! この赤ん坊は何だ? そして…ダグがいない。
どこかに置いて来たのか?どこに? とにかく車だ。ベルボーイにキーを渡したら車庫から出てきたのはベンツではなくパトカー。
俺たちは昨夜、何をしたんだ…?
SABU監督の「MONDAY」も似たような設定ですが、“ジメっと閉塞”な邦画と比べるとやはり洋画は“カラっと開放”。どうしてこうも印象が違うのでしょう。
僅かな手がかりを頼りに、昨夜の行動をトレスしてみますが…。
ネタバレになるので笑撃の事実の数々は割愛しますが、ギャグではなくシチュエーションで笑わせるという手法が実に“いい感じ”。
お荷物だと思われたアランが土壇場で天才的に使える奴になるというのも後味を良くしています。にしても…
いい女になったなあ、ヘザー・グラハム。