佐々木ヨーコ、東京ボンバーズ、ロサンゼルス・サンダーバード…。
そんな名前に反応してしまう世代にとっては至福の一編。
ましてや、ジュリエット・ルイス(リンク・ネーム:アイアン・メイビン←最高!)を向うに回してドリュー・バリモアやゾーイ・ベルをすり抜けていくのがエレン・ペイジ。
石川五右衛門がいたら思わずこう呟いてしまうでしょう。
『…可憐だ』
(2009年/ドリュー・バリモア監督)
保守的なキリスト教原理主義…じゃなくて教育ママを演らせたら右に出る者無しのマーシャ・ゲイ・ハーデンの元、美少女コンテスト出場を日課にさせられているブリス(エレン・ペイジ)。
あたしのしたい事はこんな事じゃなーい! でも親には逆らえない…。そんなブリスが迷い込んだ別世界、ローラーゲーム。
ワイルド&パワフル&スピーディーな試合に魅了されたブリスは即入団を決意。
「試験は来週の火曜よ。21歳以上よね?」
「え、あ、はい。誕生日が来たばかりで22歳です」
設定上、ブリスは高校生なので17歳。しかし、エレンは87年2月生まれなので撮影当時推定22歳。逆年齢詐称です。
で、まあ、後はあーなってこーなって、最後はこうなるんだろーなーと思っていると、全てその通りになります(笑)。鉄板お約束大全集。
流石ドリュー、初監督作とは言え、無駄に芸歴積んでいません。
エピ詰め込みすぎとか、試合の迫力が(ボンバーズ世代には)イマイチだったりなど細かい文句はありますが、役者の魅力で帳消しです。
小道具として“ストライパーズのTシャツ”が効果的に使われています。マーシャ・ゲイ・ハーデンがただの保守的な教育ママではない(なかった)という配慮にもドリューの気配りを感じます(脚本は原作者ショーナ・クロス)。
邦題には“モーターサイクル・ダイアリーズのパクリだ”という批判があるようですが、原題の“Whip It”じゃ訳分からんし、原作タイトルの“Derby Girl”だとローラーゲームという名前に馴染んだ日本人にはピンと来ません(ローラーゲームの競技名称はローラー・ダービー)。
良い邦題だと思います、私は(ギャガ、グッジョブ)。
※参考:この手の“鉄板お約束”映画で私が好きなのが…
「ピーナッツ」→2008年3月3日
「コヨーテ・アグリー」→2011年3月19日