作り手の都合や道義的事情で封印されてしまう作品は多々ありますが、観客の側から「なかった事にしてくれないか」と三行半を突きつけられる作品はなかなかありません。
記憶も封印されてしまったのか、覚えているのはクリスタナ・ローケンがおっぱいの大きさを自在に変えられるシーンだけ。
真っ白にリセットされたようなので新たな気持ちで再見したら…。
ああら、なかなかに面白い作品だったんじゃないの。
「ターミネーター3」
(2003年/ジョナサン・モストウ監督)
公開当時の(勿論今でも)本作に対する不満の原因は、
- サラ・コナーが出てこない。
- ヒロインが不細工。
- タイム・パラドックスに無理がある。
- 前作までの登場人物の苦労が水の泡。
そして擁護不能な最大の難点、
- ジョン・コナーが不細工な上にヘタレ。
といった所でしょう。他にも「女ターミネーターに迫力がない」「シュワが老いぼれ」など数え上げればキリがありません。
確かに、これらは正鵠を射ています(笑)。セルフ・パロディとしても今ひとつで、実は最大のミスキャストはシュワ自信なのではないかとすら思います。
が、しかし、好きです、私、この作品。
ひとつはアクションのキレの良さ。クレーンのアーム突き出して、建物をなぎ倒していく横殴りラリアット大暴走は「マトリックス/リローデッド」より遥かに楽しめました。
もうひとつはあっさり“審判の日”を迎えたオチの潔さ。
ここを回避しつつ続編を重ねるのが製作側の王道でしょうが、ミサイル飛び交うデストピアな絵柄が見られたのは個人的には大収穫です(もちっとタメがあれば言うことなしでしたね)。
特に1作目2作目を神格化する程のマニアではない(どちらかと言えば大金投じた2よりもアイデア勝負の1の方が好き)ので、主役二人の華の無さ以外は許容範囲内でした。
少なくとも「4」よりは遥かに面白かったと思うのですが・・。
※参考:「話のベクトルはそっちで良かったのか? ターミネーター4」→2010年6月25日