デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

寝取り寝取られ列島縦断。 やさぐれ刑事

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『お前の拳銃よこせ!俺のだけじゃ足りねぇんだ!』

執念の刑事が犯人追って列島縦断!と言うと「君よ憤怒の河を渡れ」的スケールを想像しちゃいますが、本作はちょいと事情が違います。

何せ追いかけているのは事件ではなく、ヤクザと駆け落ちした女房ですから。

混じりっ気無しの100%純粋私怨。

「やさぐれ刑事(デカ)」(1976年/渡辺祐介監督)

麻薬ルート構築の尖兵として神戸ヤクザが札幌へ。

北海道警察の刑事・西野(原田芳雄)は、その尖兵が、かつてパクったヤクザの幹部・杉谷(高橋悦史)と知って俄然やる気モード。

しかし、杉本は西野の上司を射殺した挙句、西野の妻・真穂(大谷直子)を寝取って遁走。

西野は警察手帳を人力シュレッダーして、恨み晴らしの殺し旅へ。

冷静に考えると登場人物全員の行動原理が変。

何故、杉谷は西野本人を狙わず(西野の上司は一発で射殺したのに)手間のかかる小芝居(自動車のセールスマンを装って何回も訪問)まで打って真穂に近づいたのか。

色々不満はあったにせよ、何故あっさり真穂は杉谷に落ちたのか。

西野に対する精神的揺さぶりが目的だったとして、何故、真穂に情を移して駆け落ちまでしたのか(麻薬のルート開設という使命はどうした?)。

各地で死体の山を築く西野を何故、同僚刑事の松井(清水“アイフル”章吾)は黙認のみならず積極的アシストまでしているのか。

考え出すとキリがない疑問符の大洪水・・ではありますが、原田、大谷、高橋3人の存在感で全部チャラ・・にはできないな、やっぱり(笑)。

さて、リクエストの甲斐あって(?)、「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言」がDVD化される事になりました(2012年1月21日発売)。

死なんとソフト化もして貰えんのか?とも思いますが、されないよりはマシなので善しとします。ありがとー、東映ビデオ。