デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ザ・普通。 クレイジーズ[2010年リメイク版]

イメージ 1
カタルシスから遠ざかること100万光年の彼方から“観た人を嫌ぁな気持ちにさせる光線”を放つ傑作「ザ・クレイジーズ」を、現代風にリメイク。

予告見た時から覚悟はしていましたが、とにかく“普通”。牙も毒も抜き取った出涸らしホラーにがっくりぐったりぱったりぽっくり。

「クレイジーズ」

(2010年/ブレック・アイズナー監督)

 

アイオワ郊外という見事に何もない田舎。高校野球が春のお知らせ。

試合中のグラウンドに猟銃持った感染親父がゆっくりまったりこんにちは。

この遠景はちょっと「マウス・オブ・マッドネス」を思わせてなかなか。

ここから感染者が続き、沼地でパラシュート降下したパイロットの死体が発見され、川底に墜落した輸送機の機影が映る前半はそこそこ魅せます。でも、そこまで。

オリジナルにあった、“テキパキと道路封鎖を進める軍隊”“声紋登録なんかしたせいで情報共有が後手後手に回るアホ指揮官”“手違いで連れてこられて手違いで死んでしまう科学者”“脱出を試みる主人公以外の家族”が根こそぎ割愛。

ほぼ主人公の一人称で語られるただの単調な脱出話に縮小再生産。

そもそも、リン・ローリーの出ていないクレイジーズなんて…と思ったら出ていました。一瞬。急に無人となった町に現われた謎の自転車少女役で(いや、少女ではないですが、少女に見えるのよ)。

ビデオだと実に判り難い一瞬の登場なのですが、Wikipediaに、

“In 2010 Lowry made a cameo appearance in the remake of The Crazies as "Women On Bike". She can be seen in the twenty-fourth minute of the film.”

という記載があり、時間も合っているので間違いありません。

昨今の駄目駄目リメイクの1本ではありますが、リン・ローリーが観られた、それだけは善しとしたいと思います。

今更ですが主演女優はラダ・ミッチェルです。

※参考:「ザ・クレイジーズ」→2008年1月12日
    「エロいぞリン・ローリー!グロいぞ寄生虫シーバース
     →2009年4月1日

    「基地外祭りまさかのリメイク。クレイジー
     (の予告編)」→2009年10月6日