デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

滝のように泣く。 巨人の星/傷だらけのホームイン

イメージ 1

『花形、貴様早まったか! 花形、死ぬぞ、もうやめろ、死ぬぞ。やめろ、やめるんだ、医者を呼べ、医者を。花形が死ぬ、死んでしまうぞ!』

私的号泣アニメ不動の第一位です。

巨人の星/第83話・傷だらけのホームイン」
(1969年10月25日放送)


巨大な鉄球(ビルを壊す時に使うアレです)を鉄バットで打ち返すという、本来ならギャグにしかならない秘密特訓によって、見事、大リーグボール1号をレフトスタンドに叩き込んだ花形満

しかし、悲劇はその直後に。

サードを回って本塁目前、花形の全身が軋みをあげる。両腕で自身を抱え込み(このポーズは後に「太陽にほえろ」でスコッチが殉職時に完コピ)前のめりに崩れ落ちる花形。

目が見えない。それでも這ってホームへ。駆け寄る仲間を全身で拒絶。

『触らないで! 自分でホームインします。あれだけの苦労を重ねて打った大リーグボールだ・・他人(ひと)の手など借りてたまるか!・・ホームベースはどこだ?!』

やがてその指先がホームベースに。「セーフ、ホームイン!」「…やった!」

担架に乗せられる花形に歩み寄る星。

『(ささやくように)見てくれたかい、僕のホームラン』
『ああ見たとも。素晴らしかったぜ』
『・・まいったか』
『なんのこれしきのこと。忘れんでくれ。大リーグボールは成長するということを』
『そうか、じゃこの体が元通りになったら、また打ってやる』

(新しい闘志を植えつけようと言うのか。俺はなんて素晴らしいライバルをもったんだ)

『今度また君の球を打つのが楽しみだ』
『・・ありがとう!』
『じゃ、その時また逢おう』

握手をしようと僅かに右手を上げる花形。その掌は特訓でまみれ。

“こうまでして俺の球を打ったのか。こうまでして俺の球を打った。こうまでして…打たれて本望。打たれて本望”

もう何も見えません(笑)。ちょっと心の洗濯をしたい時に良く利くサプリです。