デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

神棚に飾って拝め、ヘル・レイザー[Blu-ray版]

イメージ 1初期3本がまさかのBlu-ray BOX化(万歳!)。

しかし、特典は“バタリアンズ(山口雄大監督×井口昇監督)による音声コメンタリー”のみ。

「舐めとんかコラ!」な仕様ではありますが、“コアなファンはいても市場の存在は微妙”な作品を商品化してくれた事を素直に喜びましょう。

どれも貴重な初Blu-ray化ですが、何はさておきまずは第1作目。

ヘル・レイザー(1987年/クライブ・バーカー監督)

何故か1作目のみ「ヘルレイザー」ではなく「ヘル・レイザー」なんですね。

(コメンタリーの中でその理由が語られていますが、ちょっと眉唾なので割愛)

気になる画質ですが、手元にあるTHX仕様のアンカーベイ版DVD(10年くらい前に輸入版屋の親父に頼んで仕入れてもらった)と比べると、僅かにソフトな仕上がり(DVDはやや硬質で良く言えばシャープですが、ガサついた印象)。

イギリス映画としての雰囲気を考えるなら、Blu-ray版の方がしっとりとした“それらしい”色合いになっています。

お話に関しては最早説明不要ですが、改めて観返して、絵的な表現と編集の巧さに痺れました。

特にアンドリューさそりロビンソンとクレア・ヒギンズの冷え切った夫婦関係、たとえズルズルの化け物でも義兄に走らせる、熱い情交の記憶。これらをカットバックで重ねていく編集の巧さ。

明らかに監督としてのバーカーの技量を超えています。

バーカーは、ヒロインであるカースティ(アシュレイ・ローレンス)にはあまり興味がなかったのか、熟女ジュリア(クレア)と義兄フランク(オリヴァー・スミス)の撮影に力入れまくっています。

特にフランクは水も滴るお色気具合。バーカーのゲイの血が撮らせたとしか思えません(笑)。

にしても相変わらずバタリアンズはく~だらない事しか言ってないなぁ。

悪魔のいけにえ3」とか「デッドリースポーン」とかならおちゃらけ雑談でもいいですが、「ヘル・レイザー」でこれはないだろ。

キングレコードさん、教育的指導よろしく。

※参考:「悪魔のいけにえ3/レザーフェイス逆襲」→2008年5月10日
    「デッドリースポーン」→2009年8月20日
    「マーターズ(の音声解説)」→2010年2月4日