デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

だ~る~ま~さんが…。 永遠のこどもたち

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何気ない行動がとりかえしのつかない結果を生む…しかも、それが分かるのはず~っと後になってから。最悪の現実と共に。

ミステリーでファンタジーでホラー。待っているのは悲劇のハッピーエンド。

永遠のこどもたち(2007年/J・A・バヨナ監督)

かつて自分が育った(今は廃屋となった)孤児院を買い取って、身寄りの無い子供たちを預かる決心をしたラウラ(ベレン・ルエダ)。

目下の悩みは一人息子シモンの空想癖。目に見えないお友達は日を追うに従って増え続け…。

そして、開院セレモニーの当日、シモンが失踪(神隠し)。

シモンはHIVポジティブ。毎日の投薬が途切れたら…。消えた息子を求めて次第に壊れていくラウラ。

「ピクニック・オン・ハンギングロック」な立ち上がりから、「フェノミナ」な要素を織り込んで「アザース」チックな後半へ。

ラウラの周りに現れる人々がエラいこと不気味。

厚底眼鏡の老婆(何だこの気味悪さ)、妙なマスクをつけた謎の子供(写真参照)。

マスクといえば、開院パーティで参加者がつけている“つげ義春ウィッカーマン”なお面。あんなものつけて楽しいのか君ら。日本の子供なら泣くぞ、間違いなく。

やがて明らかになる闇に葬られた孤児院の悲劇。あちらとこちらの境界線。

理に叶った現実の話と、ファンタジーとしての霊界譚のバランスが絶妙(どちらが大きすぎても物語としては破綻。この辺りは製作総指揮ギレルモ・デル・トロの采配でしょうか)。

霊媒師役のジェラルディン・チャップリンが嫌ぁな貫禄がついていい感じでした。