全身を土で固められて(ご丁寧にも呼吸用の竹筒を銜えさせられて)、素焼き人形状態で丸焼き。
嗚呼、こんな死に方だけはしたくないなあ。
白人が象牙目当てにジャングルに分け入っていた19世紀のアフリカ。
白人ガイド(コーネル・ワイルド)が案内しているパーティが、とある部族の土地を通り抜ける際に悶着起こして全員生け捕り。
町山さんのサイトだと「地元原住民の土地を侵し、無断で象を乱獲したために、原住民を怒らせ」となっていますが、間違いです。
正しくは「通行料(部族長への貢物)をケチった(支払わなかった)」からです。
みかじめの後払いが利かないのはヤクザも部族も皆一緒。
荷物運びの他部族現地人まで捉えられて、順番に頭バックリ、喉サックリ。
女たちにあてがわれた白人は、鳥の扮装をさせられて、全身槍でプッスプス。
一番悲惨だったのが、冒頭で御紹介した素焼き人間。
ガイドだけは、みかじめを払うように責任者に交渉した事から“善人”と看做されて、スペシャル・コース獲得。
裸でジャングルに放り出され、追っ手から逃げ切れば無罪放免(わぁ、ラッキー!)。
そして始まった死のゲーム。窮鼠猫を噛む逃走と追撃のサンバ。
合間合間に挟まれるのはジャングルの食物連鎖。昆虫が、爬虫類が、両生類が、哺乳類が、全ての生き物が獲物と捕食者(プレデター)に。
時にはオランウータンがチータを威嚇。勝負は最後まで分からない。
「アポカリプト」の元ネタとして有名ですが、大自然の中で追う者と追われる者が時に入れ替わる構成は、「カニバル」「ランボー」「プレデター」などの先駆です。
ラストの清々しさ(?)は「プレデター2」のアレと一脈通じるような…。
因みに象は思いっきりハンティングされていました(象使いがいたとしても全力疾走して来る象を前のめりに倒れさせる芸は仕込めないでしょう)。
また、その後の解体がリアル。いきなり象の腹から切り裂いた内臓抱えた現地人が出てきますからね。「サンタ・サングレ」の時も思いましたが、象って無駄なく切り分けられるんですね。
この時代に、アフリカの現地人を“土人”でひと括りにせず、言語圏で描き分け、部族間闘争まで表現しているのは立派。
観る機会は少ないかもしれませんが、チャンスがありましたら是非。
※参考:「ランボー」→2008年5月23日
「その両手は誰が為に…。サンタ・サングレ/聖なる血」
→2010年3月1日
「食人監督版プレデター2? カニバル/世界最古の人喰い族」
→2010年11月16日