デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

星野真里万歳! DEADBALL

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よく受けたなぁ、この仕事。偉いぞ、星野真里

「DEADBALL」(2011年/山口雄大監督)

漫★画太郎先生の狂った原作を実写化した「地獄甲子園」の世界観を引きずった続編でもリメイクでもない番外編。

ヤクザや性犯罪者を大量殺戮して逮捕された野球ジュウベエ(坂口拓)。収容されたのは謎の矯正施設・鳥竜矯正学院高校。

ここでジュウベエは生き別れの弟・ムサシの居所を教えるかわりに野球部に入り、全国非行甲子園に出場することを強制されます。

脚本が戸梶圭太という所に只ならぬ期待をしたのですが、華麗に破綻、見事に玉砕。最早物語としての骨格すら成しておりません(流石戸梶とも言えますが…)。

星野演じる新之助はジュウベエの同房者(つまり男。もちろん重犯罪者)。

前作で伊藤淳史が演じたメガネに当たります(終盤、ジュウベエが思わず新之助の事を「メガネぇ!」と呼ぶ場面も)。

どこかで「女」を出すのかと思いきや、最後まで男のまま。星野真里である必要があったのか、とも思いますが、これが実にキュート(ハーバート・ウェスト・リスペクトな注射器遣い)。

まさか、のろま・男装・眼鏡・星野に萌えるとは。不覚。

前作で、“結果としての惨状”しか描けなかった不満を解消するかのように、リミッターを外しまくったスプラッター描写はお見事。

ジュウベエがカメラのフレーム外に手を伸ばして戻すと、指に火のついたタバコが挟まっているというギャグはツボでした。

これでもうちょっと、脚本がしっかりしていれば前作越えも可能だったでしょうに。

惜しいなあ。でも星野可愛いからいいか。

※参考:「そうそう、高校野球と言えば死体と生首(笑)。地獄甲子園
      →2010年3月5日
     「正に外道(笑)。地獄甲子園FLASHアニメ版]」→2011年7月26日