ランナウェイズと言えば誰でも最初に浮かぶビジュアルはガーター&コルセット姿のシェリー・カーリーでしょう。
近年再評価の機運が高まっているとは言え、当時はシェリーのこのコスプレが諸刃の剣となってバンド全体が色物視されておりました。
1975年.16歳の少女たちの出会いと別れ。
「ランナウェイズ」(2010年/フローリア・シジスモンディ監督)
原作はシェリーの自伝。製作総指揮がジョーン。
バンドの2本柱が顔を揃えての映画化。解散の原因は諸説ありますが、少なくともジョーンとシェリーの確執ではなかった事は分かります。
シェリー役のダコタ・ファニングは酒に薬にセックスにコスプレとキャリア叩き壊す大熱演をしてくれますが、いかんせん貧乳が災いして“一回り大きい安達祐美”になっています(笑)。
本作の主役にしてバンドの柱はジョーン・ジェットを演じたクリステン・スチュワートでしょう。
そのなりきりぶりたるやジョーン本人も頬を緩ませたのではないかと思える出来栄え。
「チェリー・ボム(直撃世代にとってはチェリー・ボンブ)」のコスチュームを日本遠征時に思いついたという映画的嘘や、ほとんどエキストラ扱いの他メンバー(せめてリタ・フォードにはもうちっとスポット当ててやれよ)、解散後エピソードの超高速端折りなど、不満はありますが、ジョーンとシェリーにフォーカスを絞りまくった構成は、ある意味、潔いかもしれません。
全編クリステンに持っていかれるかと思いきや、最後、“普通の女の子”に戻ったシェリーの表情にダコタの女優としての一日の長を感じました。
「ザ・コミットメンツ」とかが好きな人なら、ランナウェイズを知らなくとも楽しめると思います。
エンド・クレジットでメンバーの現状が紹介されますが、シェリーの現職は何と“チェンソー・アーチスト”。…チェンソー・アーチスト?!
なんじゃそりゃそりゃと思って調べて納得。気になる人はこちらへ↓
http://www.chainsawchick.com/
★ご参考