製作がロジャー・コーマンのカミさんで、内容が“警備用ロボットの暴走・殺戮映画”と聞けば、「ロボコップのED209(写真下の奴ね)のパクリか」と誰もが思うでしょう。
しかし何とこちらの方が「ロボコップ」より1年早いのです。
恐るべしコーマン・ファミリー。
「キルボット」(1986年/ジム・ウィノースキー監督)
巨大ショッピング・モールに配備された警備ロボット、プロテクター1号2号3号。
ED209をショート・サーキット・サイズにした、キャタピラ走行するトン吉・チン平・カン太だと思ってください。
こいつらを制御するコンピュータが落雷で誤作動(便利な口実だ)。
暴走した3台のロボットは清掃員(ディック・ミラー!)を皮切りに、無人のモール内でパーティを決め込んだアベック4組を次々と血祭りに。
侵入者を無傷で捕獲する事を目的に設計されている割には、こいつら装備がやたらとToo Much。
レーザー飛ばすわ、ミサイル撃つわ、何を想定しているのかプラスチック爆弾まで隠し持っています。
殺した後の決め台詞は“Have A Nice Day”。
原題は「Chopping Mall」。声に出して読んでみると、アホさ加減が倍増します。
銃砲店の名前が「ペキンパー」とか小ネタもいい感じ。
これでプロテクターに“スピン・ターン”の機能があれば、アクションもサスペンスもかなり上向いたと思うのですが、残念ながら方向転換には切り返しが必要。
これだと簡単に後ろに回れ込めそうなので、緊迫感がありません。
とは言え、首から上が木っ端微塵とか全身松明とか力の入ったゴア描写もあり、出来の悪い「13日の金曜日」とかよりは遥かに楽しめる作りにはなっていました。