最も危険な罠、それは不発弾。
たくまずして仕掛けられた地中の闇に眠る殺し屋。
それは突然に目を覚まし、偽りの平穏を打ち破る。
[装甲騎兵ボトムズ第4話予告編より]
冷戦時に放たれた信管くわえた不発弾が眼を覚ます。
「テレフォン」(1977年/ドン・シーゲル監督)
英語の堪能なロシア学生を集め、米国式の暮らしを覚えさせ、薬物暗示によって自分がアメリカ人だと信じ込ませた上で、死者と入れ替わって入国・潜伏。
結婚し、家庭を設け、当たり前の暮らしをしますが、ある言葉(フロストの詩の一説)に本人のロシア名を絡めて聞かせると、必殺の自爆テロリストに大変身。
時は流れ冷戦終結。しかし、この平穏を善しとしない者がひとり。
KGBのダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)は、2冊しかない工作員名簿を持ち出して逃走。アメリカに入国するや否や、催眠暗示を起動させてテロ誘発。
書記長にすら知らせていない極秘任務(コードネーム:テレフォン)。このままでは米露は冷戦通り越して第三次世界大戦に。
残る工作員51名。なんとしてもダルチムスキーを発見し極秘裏に屠れ。
遣わされた暗殺者ボルゾフ少佐(チャールズ・ブロンソン)が追撃開始。
巧い! 爆破シーン以外、派手なアクションはほとんどありませんが、魅せます。
よく見りゃスタッフが超豪華。
原作がウォルター・ウェイジャー(「合衆国最後の日」)、脚本がピーター・ハイアムズ(「カプリコン1」)&スターリング・シリファント(「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」。※すまんが「スウォーム」と「世界崩壊の序曲」は忘れてくれ)。
で、音楽がラロ・シフリン。これをドン・シーゲルがブロンソンを具材にして料理・・そりゃ面白くなるわな。
ドナルド・ブレザンスは追っても追われても偏執的(笑)。紅一点リー・レミック(ダミアン母)が、妙にキュート。
2月15日にチャンネル銀河で放送されましたが、「現像前に感光しちゃったのか?」と疑う程の退色版。
場末の三番館な気分は味わえましたが、誰かリマスター版DVD出して、お願い。
あと、allcinemaとかのデータ見るとランニング117分になっているのですが、放送されたのは100分前後。バージョン違いがあるのでしょうか。
海外版DVDだと101分なので、これが正解なのかな。