デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

何をする気だ、三池?! 愛と誠(の予告編公開)

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太賀誠(妻夫木)が踊っている。

早乙女愛武井咲)が歌っている。

そして、岩清水弘が、いや出演者全員が馬鹿っぽい。

何をする気なんだ、三池?!

「愛と誠(の予告編)」(2012年/三池崇史監督)

ここしばらく原作至上主義(「逆転裁判」の時には「オリジナリティなんて余計なお世話」とまで発言)、原典尊重主義(「十三人の刺客」「一命」)を貫いた反動か?

はたまた妻夫木の犯罪的年齢詐称にキレたのか?

このノリは完全に「カタクリ家の幸福」ではないか。純愛青春山河を歌って踊るアクション・ミュージカル・コメディにしてしまうとは…。

脚本は「花より男子」の宅間孝行。振り付けはパパイヤ鈴木。

愛と誠らが熱唱する名曲は、「激しい恋」「空に太陽がある限り」「あの素晴らしい愛をもう一度」「夢は夜ひらく」「酒と泪と男と女」「オオカミ少年ケンのテーマ」「また逢う日まで」etc.

昭和歌謡大全集」かよ!(オオカミ少年ケンのテーマって「♪バンババンボン、ブンボバンバババボ、バンババンボン、ブンバボン」のアレか?)

真樹日佐夫とは親交深かった三池の所業ですから、叔父貴もきっと天国で笑ってくれているとは思いますが、ここまで完膚なきまでに原作を破壊すると世間の反応がちょっと心配です。

私はVシネ黎明期から、ダメでもハズレでも三池について行くと決めた男ですから、これもアリ一点張りで擁護します(今まで、さんざっぱら原作、特に梶原一騎モノを不可侵領域として絶対視して参りましたが、本作に限り宗旨変えです)。

昭和の純愛を今作るとしたらこういう表現しかない、という監督の判断なのでしょう。

目指せ“10年後カルト”。

「愛と誠」公開は2012年6月16日。脳細胞が真っ白に燃えつきる衝(笑)撃の予告編はこちら→http://www.youtube.com/watch?v=PvAocf7Z4ks