それは恩賜の拳銃。 南部式小型自動拳銃[ベビーナンブ]
生産数僅かに6,450挺。成績優秀な士官学校卒業生に恩賜品として配られた名誉の証。
アメリカ人コレクターをして“宝石が詰まっている”と言わしめた珠玉の工芸品。その金属モデルガンを入手しました。
米軍がつけた愛称“ベビーナンブ”の方が有名ですが、正式名称は、
「南部式小型自動拳銃」(マルシン謹製)
南部とは発明者・南部麒次郎の名前から。
旧日本軍の象徴とも言える「南部十四年式」の前身「南部式自動拳銃」を民間・将校の護身用にスケールダウンしたもの。
握ってみると実に可愛い手のひらサイズ。アメリカ人がベビーと呼びたくなるのも分かります(因みに南部式乙型はパパナンブ、甲型はグランパナンブと呼ばれています)。
7mmカートリッジ使用なので構造としてはブローバック方式で十分なはずですが、敢えてパパナンブと同じショート・リコイル方式を採用。この“無駄に忠実”なスケールダウンが逆に微笑ましいじゃありませんか(こだわりよ、こだわり)。
レシーバー上部前方には、四つの輪を組み合わせた「東京砲兵工廠」のマークを打刻(写真下)。
何せ少量しか生産されていない(生産コストが半端無く高い)ので、映画などでお目にかかる機会は滅多にありません(ってか見た事ありません。まだ)。
リコイルスプリングが片側にある左右非対称なデザインは画的にも映えると思うので、どなたか(映画で)使ってください。