冒頭コラージュされる古めかしい家族写真。
誰一人笑っていないその中の何人かは「死体」。
所謂“Post-Mortem Photographs”という奴です。横たわる老人が、肩を抱く兄弟が、抱きかかえる子供が、そしてゆりかごの赤ちゃんが“死体”。
19世紀には決して珍しい行為ではなかったらしい“死体とチーズ”ですが、こうして並べられるとちと怖いものがあります。
本編でも重要な小道具として登場するこれらの写真は全部ホンモノ。嫌々感倍増です。
「エクトプラズム 悪霊の棲む家」
(2009年/ピーター・コーンウェル監督)
訳あり物件購入したら、とんでもないいわく付きで移り住んだ家族がエライ目に遭うという“実話”に基づいた家モノホラー。
「悪魔の棲む家」のフォーマット完全踏襲企画ですね。後半、牧師が絡んでくる展開も一緒。
「悪魔の~」は、何か起きそうで何も起きない腰砕けホラーでしたが、同じ実話ベースでもこちらはサービス満点。
超常現象大盤振る舞い、雰囲気系ホラーなのにゴアシーンもてんこ盛り(まぶた切り取りとか勘弁してくださいシーン続出)。
過去のいきさつも“お父ちゃんが一家皆殺し”というストレートな「悪魔の~」より遥かに凝っています。
主役はヴァージニア・マドセン演じるお母ちゃん。若い時ゃ「キャンディマン」に魅入られた女ですからね、そりゃ悪霊も寄って来ようってもんです。
末期癌の投薬による幻覚か、家の過去を霊視する息子にカイル・ガルナー(後にリメイク版エルム街でフレディと一騎打ち)。
あまり話題にならなかったようですが、雰囲気系とエンタメ系を程よくミックスしたバランスの良い作品だと思います。
“死体家族写真”に興味のある人はここいら辺参照↓
http://tywkiwdbi.blogspot.jp/2009/07/post-mortem-photographs.html
http://acidcow.com/pics/1453-the-migration-of-pictures-after-death-26-pics.html
※参考:「風通しが気持ちいい! 悪魔の棲む家[リメイク版]」
→2009年10月15日