ご家庭の本棚の必需品。それは聖書でもシェイクスピアでも家庭の医学でもありません。
ゴッドファーザーです。
勿論「3」まで含めた3本が(欲を言えばSAGA-特別完全版-が)揃って1セット。
単独で捉えれば1作目こそがワン&オンリーな大傑作で、他の2作は1作目を依り代とした二次創作物にすぎませんが、それでも映画史に残る金字塔であることは間違いありません(くどいようですが「3」も含みます)。
今回は代表してこれを。
「ゴッドファーザーPartⅡ」
(1974年/フランシス・フォード・コッポラ監督)
コッポラが自ら監修し、色彩補正を施した「コッポラ・リストレーション Blu-ray BOX」にて鑑賞。
ストーリーは割愛。
デ・ニーロ・パートでは、妻のために洋梨をひとつ大事そうに新聞紙に包み、こそっとテーブルに置くシーンがお気に入り(この日、失業しているのに!)。
パチーノ・パートでは何と言っても、あの卑怯なラスト。
父の誕生日に集まった在りし日の兄弟たち。
ソニー(ジェームス・カーン)がいる。フレド(ジョン・カザール)がいる。ヘイゲン(ロバート・ディバル)もコニー(タリア・シャイア)も。
ソニーが連れて来たのはカルロだ。ケーキを運んでいるのはテッシオ。
海軍に志願した事を継げるマイケル(アル・パチーノ)。皆が反対する中、フレドだけが「偉いぞ」と言ってくれる。
やがて玄関に父の気配。全員が立ち上がって父の元へ。ただ一人マイケルだけが動かない。
皆に愛された父。自分もそのような家族の中心にいたかったはずなのに。自分のした事は一体…。
過去の郷愁に索漠とした視線を投げる現在のマイケル。
200分(いや前作からカウントすれば375分か)の流れの果てにマイケルが得たもの(そして失ったもの)を考えると泣けてきます。
史上最強の家族映画ではないでしょうか。