「ローズマリー」と並ぶ不遇のコスプレ殺人鬼が還ってまいりました。
ガスマスクに炭鉱スーツ。ツルハシ抱えたガテン系。
狭い所で殺る時ゃ、ツルハシを短く持ってスナップ効かせるのさ。右手を支点にして左手で柄の先を回転させるようにすりゃ突き降ろしも掬い上げも自由自在だぜ。
嗚呼、こいつと「ローズマリー」(軍服軍刀野郎)の異種格闘技戦が観たかったなあ。
「ブラッディ・バレンタイン」(2009年/パトリック・ルシエ監督)
以前御紹介したカナダ産ホラー「血のバレンタイン」のリメイクです。
オリジナルは北部の炭鉱町という「ディア・ハンター」チックな雰囲気系スラッシャーでしたが、本作は完全なアトラクション・ホラー(劇場公開時3D)。
もう殺す殺す。
炭鉱に支えられているアメリカの田舎町。
炭鉱社長の息子(新米炭鉱夫)がメタン抜きを怠ったばかりに落盤事故。5名生き埋め。生存者はハリー・ウォーデンただひとり。
残りの作業員は全員死亡。しかし、死因は頭部に穿たれた大穴。ハリーが酸素を独り占めするために仲間全員をツルハシで穴だらけにしたのです。
救出後、ハリーは昏睡状態に陥り眠れる森の殺人鬼に。
しかし、1年後のバレンタインの日に突如覚醒。患者・看護婦・医者の区別無く裂いて千切って抉って屠って白い巨塔は血の池地獄。
いなせな炭鉱夫コスプレに着替えたら、炭鉱を肝試し&エッチに活用している若者にツルハシ千本ノックのプレゼント。合計22名をあの世に送って行方不明に。
あれから10年…。
ここはねぶたかだんじりか、な景気の良さで死体の山を築くピッケルくんが心地良い。
投球フォームはエビ投げハイジャンプなのに飛んできたのはただの直球だったという、ヒネリが無いにも程がある脚本は賛否(ってか否否)あろうかと思いますが、お祭りアトラク・ホラーと割り切れば腹も立ちません。よく出来たデート・ムービーだと思います。
★ご参考