デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

心にロメロがいる限り…。 ゾンビ大陸アフリカン

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『何故逃げない?』
『故郷を捨てるわけにはいかない。私はこの村で生まれた。この村を守り、この村で死ぬ』

広大なアフリカ大陸。視界の半分は空。半分は荒地。

よもやこのようなシチュエーションから、正統派ゾンビ映画が生まれようとは。

「ゾンビ大陸アフリカン」

(2010年/ハワード&ジョン・フォード監督)


ハワードでジョンでフォード…。本名だとしたら映画撮るために生まれてきた兄弟です。喜八&欣二クロサワみたいな感じでしょうか(違うよ!)。

アフリカ大陸がゾンビまみれ。勿論原因不明。駐留米軍もバック・イン・ザ・USA。

しかし、最後の一機は燃料もろくに補給せず離陸したためガス欠で墜落。

辛くも一命をとりとめたブライアン・マーフィー中尉ですが、目の前には広がりたいだけ広がる大地とゾンビの群れ。

一方、一人息子が心配で戦列を離脱し、生まれ故郷の村に戻ってきたアフリカ兵士テンベレ。しかし、そこに息子の姿はなく、妻は既に死亡し母親も瀕死(直後死亡→ゾンビ→頭部射壊)。

偶然出会ったブライアンとテンベレは、各々脱出路と息子を探すため絶望の大地へ…。

バッタもんなタイトルに騙されてはいけません。インディーズですが、心にロメロが宿っています

空気が拡散する開放空間では閉塞感の演出ができないと思われるかもしれませんが、あらゆる場所にゾンビがいるという状況が緊張感を高めています。

ここにはいないだろう、と思っても振り向けばいつの間にか奴らが…。

ゆったりまったりした動きですが、奴らは疲れない、眠らない。

一滴の水も、一発の銃弾も無駄にできないサバイバル・ロード。

この切迫感は正にゲーム版「バイオハザード」1作目。あの洋館の恐怖をアフリカの大地で…。

大自然がバランスをとろうとしている」という地球人類駆逐説は「地獄が満室になったら…」に匹敵する名解釈。

えじきチックなラストも印象的。

ネタ的飽和状態に突入して久しいゾンビものですが、アイデア次第でまだまだイケます。心にロメロがいる限り。