チャーリー・シーン。
シリアス戦争ドラマ「プラトーン」に主演した男。親子二代に渡って代表作が根暗ベトナム戦争映画…。
『違う! 本当の俺は…本当の俺の姿は…』
これですね。分かります。
「ホット・ショット!」
(1991年/ジム・エイブラハム監督)
「プラトーン」と同じ年に製作されたスチャラカ軍隊ドラマ「トップガン」のパロディ。
映画ネタのギャグもふんだんに散りばめられていますが、本作の魅力は出演者全員が“隙あらばボケる”全カット臨戦態勢。
ほとんどがどーしようもないベタな瞬間芸ですが、ひとつひとつの出来について考える時間を与えない連続技。いつしかエンドルフィンがざばざば分泌されて無我の境地に。
オープニングは勿論「トップガン」で有名な母艦離発着シーン。
大勢の人間が持ち場をキビキビと仕切る群像カットで全員がボケるボケる。最早オリジナルを直視する事ができません。
乗馬訓練中のヒロイン、ラマダに一目惚れしたトッパー(チャーリー)は、気を惹くためにバイクでウィリー。それを見た彼女は馬上で直立。負けるものかとチャーリーもバイク上に仁王立ちしてダンシング。更に彼女は近くの木に飛び移るや見事な段違い平行棒の妙技を…。
これ、昆虫の生殖ダンスとかと一緒ですよ(笑)。
ラマダ役は「レインマン」でトム様と共演したヴァレリア・ゴリノ(因みに「レインマン」のトム・クルーズの役名はチャーリー)。
チャーリー・シーンは、トム様の「宇宙戦争」をパロった「最終絶叫計画4」の冒頭にも出てきますが、この時のチャーリーの役名はトム。
鉄板のように熱くなったラマダの腹部でベーコン・エッグを作るナインハーフな“女体盛りUSA”。クール、いやシュールです。
よもや続編が作らるとは思いませんでした(お話は地続きですが、基本骨子は「ランボー」。まさかのトラウトマン大佐ゲスト出演)。
ポーカー・フェイスを崩さずクールな馬鹿を熱演するチャーリーが素敵です。