デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ビールは瓶で。 ストレイト・ストーリー

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『酒はもう長いこと飲んでいないが今日はビールをもらうよ』

『何にする?』

『ミラーをもらおうか』

日本でビールというとジョッキで生、あるいは瓶ビールをグラスに注いで、という形が多いですが、外国映画のバーのシーンを観ていると瓶ビールをラッパ飲みというシチュエーションが多いですね。

これがまた実に美味そうで。

ちっこいグラスに注いで飲む様が不躾に思えるほどです。

で、実際に瓶ビールでラッパ飲みしてみると本当に美味しかったりするのですよ。ぬるくなっても味わいがあるというか。

瓶ビールで印象深い映画といえば、

 

ストレイト・ストーリー

(1999年/デヴィッド・リンチ監督)


主人公アルヴィン・ストレイトの話であると同時に、文字通り“真っ直ぐな”物語。

10年前に理由も忘れてしまった大喧嘩の末、音信不通になっていた兄。その兄が病気で倒れた。

会いに行こうと決意をしたものの、歳で視力が弱り腰も悪い。

車の運転はできないが、誰かの手を借りるのは嫌だ。

唯一、自分で運転できる乗り物は時速4kmのトラクター。様々な人との出会い、別れ。

『歳をとって良いと思うのは細かいことを気にしなくなる事だ』

『最悪なのは?』

『若い時を思い出す事だ』

長旅の末、たどり着いた兄の自宅近所のバーで、ようやく禁を解いて飲むビール。

勿論バーテンダーは瓶の栓を抜いて渡すだけですが、美味しくないわけがないですよね(監督デヴィッド・リンチというのが未だに信じられません)。

※写真3枚目は旅の途中で知り合った爺さんとバーに行った時のもの。まだ禁酒中なので、アルヴィンが飲んでいるのはミルクです。