「ウルトラセブン」私的ベストエピソードを選ぶなら、以前ご紹介した「盗まれたウルトラアイ」「超兵器R1号」とこれが順不同ナンバー・ワンです。
「ウルトラセブン/第42話・ノンマルトの使者」
(1968年7月21日放送/満田かずほ監督・金城哲夫脚本)
多くの死者を出した海底開発センターの爆発事故。地球防衛軍に掛かって来た子供の声の脅迫電話。
『海底はノンマルトのものなんだ。人間が海底を侵略したらノンマルトは断然戦うよ』
訝しがるダン。
(ノンマルト…僕の故郷、M78星雲では地球人の事をノンマルトと呼んでいる。ノンマルトとは人間の事だ)
アンヌの前に現われる少年、真市。
『ノンマルトって何なの?』
『本当の地球人さ。ずっとずっと大昔、人間より前に地球に住んでいたんだ。でも、人間から海に追いやられてしまったのさ。人間は今では自分達が地球人だと思っているけど、本当は侵略者なんだ!』
怪獣ガイロスと鹵獲(ろかく)したイギリスの原潜グローリア号による地上破壊工作。
ハイドランジャーで出撃したキリヤマ隊長の眼前に広がるノンマルトの海底都市。
『我々人間より先に地球人がいたなんて…。いや、そんな馬鹿な。やっぱり攻撃だ』
予告も威嚇も無しにありったけのミサイルを撃ち込むキリヤマ隊長。木っ端微塵に吹っ飛び文字通り海の藻屑と消える海底都市。
『ノンマルトの海底都市は完全に粉砕した。我々の勝利だ。海底も我々人間のものだ!』
キリヤマ隊長が悪魔に見えました。
本作のもうひとつの魅力はアンヌ隊員(菱見百合子)のプライベート・ショット。
制服、私服、水着とキューティー・ハニーばりの七変化。ダンもイチコロ。
この頃から満田監督は最終回に向けて、ダンとアンヌの距離を意図的に縮める演出を心がけていたようです。
にしても人間が地球人ではなく侵略者…。金城哲夫にしか書けない脚本です。
※参考:「やはり欠番か…。ウルトラセブン/遊星より愛をこめて」
→2011年3月13日
「自粛は封印の一里塚。ウルトラセブン/超兵器R1号」
→2011年4月29日
「迎えは来ない。ウルトラセブン/盗まれたウルトラアイ」
→2012年5月21日